それでもやっぱり旅が好き

人生の転機で呼ばれる場所 マウントシャスタ#2

前回に続き、シャスタの旅日記の後半。

たった1週間なのに、涙も喜びもあって、本当に心に染み入る旅だった。

あわせて読みたい
人生の転機で呼ばれる場所 マウントシャスタ#1本当に突然に、10日くらい前に思い立って1週間アメリカに行ってきた。 それはそれはもう何かに動かされるようで、自分でもよくわからな...

【3日目】相手が輝くスペースをつくるということ

3日目は滝に行くことに。

わたしは夏が好きだから、湖に飛び込める夏に来たかったなーと言うと、

 

「冬は自分とつながりやすいから、深く奥へ入っていきやすいんだ。

自然の中に身を置いている人は冬が好きなんだよ。

木々や生物が静けさ、ありのままの姿で立っている、必要なものを削ぎ落とした状態だね。

一方でパートナーとの時間が深まる季節でもある。

あたたかさを感じる幸せもあるでしょ」と。

 

そっか。

これまで冬はあまり好きじゃなかったんだけど、この話を聞いてなんだか好きになれそうだなと思った。

 

今度は、人間関係の話になった。

 

「やっぱり、信じるということが大事だよね。すべての関係は信じることからはじまる。

見返りを求めず相手に笑いかけること。相手を信じて接すると真実が見えてくるよ。

日本人は目をまっすぐ見ない人が多いし、笑顔を向けることって少なくないかな?

もちろんすべてが好意で返ってくるわけではないけれど、そのうえで選んでいけばいいのだから」

 

「レディーファースト、って言うけれど、女性が男性に役割を譲ることも大切なんだよね。

ドアを開けること、荷物を持つこと、すべて自分でやってしまわないことだ」

 

わたしは自分の人生に他人をちゃんと巻き込んでいるだろうか。

ほかの人が輝くスペースをきちんとつくっているだろうか。

なんだかとても大切なことを教わった気がした。

全部自分でやってしまおうとしないこと。

そこに自分以外の力を自然と溶け込ませられるのが本当の強さだなと思った。

 

リチャードはインディアンとも仲が良いので、たまにその話が登場する。

アメリカというと新しい国だけれど、元々この国はネイティブインディアンの場所で、彼らは古い歴史や文化を持っていて、それぞれカタチを変えながら今に受け継いでいる。

 

「スウェットロッジは元々浄化の儀式だからね。

意味をわからずに体験してもしょうがないんだよ。

生きていくために必要だから生まれた知恵を、その本質を理解せずに形だけ取り入れても意味がない。

インディアンは子どもと女性を大切にするんだよ。

女性は命を生み出すし、子どもは未来だからね。

男性たちは、彼らを守るために自分たちが存在していることを知っているんだ」

 

わたしが、「みんな本質を見失っている気がする、そっちじゃないのに、と思う方を平気で選んでしまうことに憤りを感じるんだよね。でも相手の考えを考えるって、なかなかできないから難しい」という話をしたら、

 

「その人たちはまだ気づくレベルにないということだ。

だからその考えを否定する必要もないんだよ。

自分が選択した生き方を見せていけばよいだけ。

人生は何度でも選択しながら変えていけるもの。

すべては裏表、対になっているのだから、気づいたら裏返していけばいいんだ。

人間は少しずつ変わっていくもの。

それはそれだけこれまでに受けてきた影響が大きいということなのだから」

 

「なんのために仕事をしている?そんなにお金は必要だろうか?

もっと人生を楽しむという視点を持ったらいい。

アメリカ人は人生を楽しんでいるし、お金をかけずに楽しむことを知っているんだよ。

自然に通いはじめるといつか住みたくなるんだ。便利さではなく静かなところへ。

でもね、極端に都会の生活に疲れた人ほど、自然の生活の価値を理解できるようになるんだ。

なんとなく表面的に生きていたらわからないんだね、たぶん」

 

相変わらず考えさせられることがたくさん。

でも、わたしは今の居場所にいるからこそ、気づけることもきっとあるはずなのだ。

 

まずはバーニーフォールズへ!

ここの遊歩道には、途中に椅子が置いてあって、すべて違うメッセージが書かれている。

 

これどういう意味?いい言葉だね、って話しながらジュディと歩いた。

女性はiutuition(直感的)、男性はlogical(論理的)なのよって。

 

「心の声は、静かさの中に身を置けば湧いてくるわ。毎日2、3分でもOK!

深い呼吸、心で感じることね。すべて答えはあなたの中にあるのだから」

女性は命を創り出し、育むことができるし、本当はすごく強いのよ、と笑う。

 

"You love yourself ?"

また深い問い。即答できるまでもう少しかかるなー。

 

そのあとはマクラウドフォールズへ!ここもすっごく紅葉がキレイな滝だった。

今回は滝が多かったから、何でなの?とリチャードに聞いてみたら、あなたには流れが必要だったでしょ、と。

 

「大きな力で流すことが必要に見えたから、滝をたくさん見せたんだよ。

滝はネイティブ・アメリカンの命の源なんだ。

今でも鮭のシーズンは彼らがいちばんに狩りをすることが法律で決まっているからね。

大きなエネルギーがある場所なんだよ」

 

遊歩道を歩いていて、木々の間から差し込む光がとってもキレイで。

太陽の光に包まれるって幸せだ。なんだかとってもあたたかい気持ちになる。

なにひとつジャッジすることなく、ただ私たちに降り注いでいる。

何となくだけれど「大丈夫、すべてはうまくいくから」と聞こえたような気がした。

松果体にたくさんエネルギーをためるイメージで、ぼーっと眺めていた。

 

最後のご飯のとき、リチャードはいつまでガイドをやるかわからないなーと言っていた。

人を救っていくためにはもっと自然の奥深く入っていく必要があるのだと。

そんなに多くの人は救えないし、使われないことばを与える必要はないからねと。

助けを求めている子どもたちのために、僕はエネルギーをとっておきたいんだよって。

わたしのエネルギーもこの人生においてどう使っていくかちゃんと考えないといけないな。

【4日目】節目を大切にすることで日常は彩られてゆく

シャスタ最終日!雪が降りそうだから!と朝早く出発することに。

ホテルのワッフルは食べ損ねたけど(お腹いっぱいで食べても意外と美味しくて最終日はゆっくり食べようと楽しみにしてた笑)、リチャードとの時間が増えたから、ラッキーなのかも。

車の中で、1日違っていたら観光できなかったかもしれないねーと。

でもわたしは、起きたら起きたことにそのときの自分で向き合えばOK、と思うタイプなので、そうしたら静かに引きこもるかなーって話したら、

 

「それでOK!なんで?!と思わないことだね。頭で理由を考えてしまわないこと。

そうすれば素晴らしい世界へのドアが開くから。

失敗はない、そのときのひとつの選択でしかないんだよ。

気づいたときにいつでもまた、もうひとつの扉を開くことができる」

 

「あなたはちゃんと大切なことに気づいている。純粋な心を持っているんだね。

とても心に深く感じいる人だね。そのままのあなたを大切にすることだ。

日本にいたら傷つくことも多いだろう。今回の人生は辛いことがあって当たり前。

次の次元にいくときに幸せな世界が待っているから。ちゃんと導かれていくから大丈夫だよ」

 

結構リチャードはキッツイことばも投げてくるんだけど、でもあったかい。

なかなか日本でこういう話ができる人がいなくて、帰りの車でいつも泣いてしまうのだ。

 

最近よく耳にするんだけれど、「自分を愛するってどういうこと?」って聞いたら、

「100%自分を受けとめるってことだ。

どんなときでももうひとりのわたしがいるから、ひとりじゃないんだよ」だって。

 

次はヒーリングファンデーション(リチャードたちが住んでいる場所でキャンプ)においで。

もっとゆっくりね、と。

 

雪解けの4月くらいにまた行きたいなー

 

行きにも立ち寄ったスーパーで朝ごはんを取りながら。

「自然とかけ離れた生活をしていると大切なことがわからなくなるよ。

朝が起きられないのは夜遅すぎるからだね。

今の日本には、食べるという感覚や、人と人との関わりが薄まってしまっている。

アメリカ人はきちんと自分を表現するから、相手との関係性をつくるのも上手いんだ」

 

わたしが訪れた日はたまたまThanks Giving Dayのタイミングで。

ただ1日を過ごすのではなく節目を大切にすることで日常は彩られていくんだね。

私たちが忙しさに負けて、意味を見失ってしまわないように。

 

最後、Costcoでのお買い物に付き合いながら、少し早いクリスマスの雰囲気は、そこににいるだけで楽しかった。

何気ないことだけど、ファミリーでお買い物するって素敵だよね。

大事な日を家族でお祝いする習慣に憧れる。わたしもそういうファミリーをつくりたいな。

 

そして、最後の最後にリチャードがジュディとの馴れ初めについて話し出す!笑

ジュディは、僕がジュディを必要としていることを知っているからねって。

2人とも再婚なんだけど、お寿司屋さんで出会ったんだよって。

人は愛に触れてはじめて愛がわかるんだね。

 

2人の愛が大きくって、最後のハグも暖かくって、心がまんまるになった4日間だった。

悲しかった苦しかったできごとにも感謝をしよう。

そうすれば次のドアが開いてくるから。

 

あわせて読みたい
本とカフェとお散歩と!ポートランドが可愛すぎたシャスタに続いて訪れたポートランドの旅日記! ポートランドの街は可愛くて、でもたくさんのギフトをもらった素敵な時間だった。 ...