教育について考えてみる

志をもつということー杉山誠さんのお話からー

わたしが大好きな三原さんが主催する「先生の学校」のイベントに行ってきたよ!

最初はピンと来なくって参加する予定はなかったのだけど、三原さんが自分の恩師だからぜひ!ということで、前日に参加することを決めました。

結論から言うと、めちゃくちゃ良かった‥‥!

 

今回の講師は杉山誠さんで、テーマは「職員も生徒も巻き込み、学校をチームにする方法」。

 

まず最初にお話されていたのは、学校は同質であろうとするけれど、本当は多様な他者が集まる場所だよね、ということ。

日本人は気づかないうちに枠にはまっているからこそ、意識して「受け入れる」ということをやらないといけないのかも。

そして、誰かに話すときに心がけていることが、

「僕が、君たちと同じ歳のときはこんなだったよ」

今の肩書きではなく、相手と同じ目線から会話する、ということ。

勉強になるなー。

先生が考える「理想のチーム」とは?

「全員が同じ目的に向かい、与えられた役割を果たすため、精一杯努めている」こと。

そのためにリーダーがやるべきことは全員で同じ目的に向かう状況をつくりだすこと、それだけ。

人間関係が難しい、というけれど、そんなの当たり前のこと。

「人」に問題があるのではなく、問題は「人と人との間」にある。

30人クラスであれば435本の関係性があり、人が入れ替わればまた関係数は増える。

本気であるからこそ、ぶつかるのは当然。

ぶつかることは悪いことではないし、人はぶつかり合うから丸くなり、磨かれるのだ。

 

あとは、メンバーの充実感を満たしていくことも大切。

「充実感を満たすために必要な3つの感情」はこちら。

①承認:自分からも他人からも認められる存在

②挑戦:自らワクワクすることにチャレンジしている

③つながり:馴れ合いではなく、自分が幸せや成長を実感できる人とのつながり

 

「愛とはお互いに見つめ合うことではなく、お互いに同じ方向を見つめることである」

星の王子様の一節だけれど、このことばもわたしは大好きだ。

 

そのほかにも、いくつかいいなと思ったポイントがあるので紹介したいと思います。

想いを伝えるコツ

伝わるまで何度も伝えること

「生徒に話しているか」ではなく、「生徒が話しているか」が大切。

想いが伝われば、生徒が自分でその言葉を口にしだす。

そうなったら本当に広がっていく。

しかし、同じことを何度も言われすぎると人は飽きるので、言い方を変えた方が良い。

(これは次の「言葉を磨くこと」につながっていく)

言葉を磨く(想いをのせる)

人は話の内容より言力に左右されるし、言葉には寿命がある。

(あなたは、昨年度の流行語大賞になったことばを覚えていますか?)

つまり、想いを伝えるために、私たちはことばを磨き続けなければならない。

言動を一致させる(人徳を積む)

その人が話すことに一貫性があること。

そしてそれはずっと変わらない、ということではない。

必要であれば、考え方を変えることも大切。

スピード感を持ち、変化を起こし続ける人に、人はついていく。

そして、嫌われ役を演じても、嫌われ者にならない人間力がリーダーには必要なのだ。

志を持つ!人徳を積む!

「人間は、今まで出会ってきた人とできごとの集合体」

「人生は、誰の生き方に惹かれたかで決まる」

本当にそうだと思う。だからこそ、どんな人に出逢うかってすごく大切。

そしてそんな人にいつ出逢ってもよい自分でいることも大切。

これは幕末好きな人は好きなことばなんじゃないかなー。

志を持った人に触れること

志を持った人に触れることで、気づきと本気がもらえる。

そんな人は身近にいないと思うなら、本屋・図書館に行けばいい。

たくさんの過去の偉人たちのことばが今に残されているから。

そして、先生の仕事は、生徒の心に火をつけること。

人間は、一緒にいる人の影響を受ける。

近くにいる人の考え方が浸透していくのだ。

新人教育は、よく2〜3年目の社員をトレーナーにつけているが、本当は新人こそ、できる人間のそばに置くべきなのだ。

 

わたしが自分の部下に仕事を覚えてもらうとき、よくこれ考えてたなー

ふとした会話にもわたしの想いをのせること。

かかわる人たちの熱意に触れさせること。

自分たちの届ける商品が素晴らしいものである、と感じてもらうこと。

上司ができることって、その人に火をつけること、自走できるようにするのみだから。

 

そして、たまにテンションとモチベーションを勘違いしている人がいる、と。

テンションは気分、モチベーションはやる気。

どちらも上下するけれど、今の自分を客観的に見て、状態がわかっていれば良い。

そして、どんなすごい人の話を聞いて、テンションが上がって、モチベーションが上がったとしても、そのあと自分で実行しなければ変わらない。

学んだことを実践すること、環境を変えることで、人間は変わっていく。

いつの間にかそれが志になり、行動基準になるとブレなくなる。

あとは行動基準を上げていくのみ、と言うことだ。

目の前の人を応援する

「一番応援されている人は、今まで一番応援してきた人」

褒めることも大切だが、「褒める種」を撒くほうが大切。

惰性で褒めることは相手のためにならないし、「褒める」ことの価値も下がってしまうと思う。

そして、今夢がない人は目の前の人を応援することから始めてみれば良いとも言っていた。

ある意味「かばん持ち」だね。

 

先生は、時間があれば誕生日ハガキを書いたり、トイレに貼り紙を貼ったりいろいろやってみたんだそう。

「シークレットサポーター」という試みも素敵で、1ヶ月間その人にバレないように、その人を応援する、ということもやっていたと言う。

 

先生は、「理想のチームは理想の家族と一緒だと思う」とおっしゃっていて、家族だったら当然と思うことはどんどん実践されているそうだ。

「たった1人でも自分のことを応援してくれる人がいる感覚があると、全体の雰囲気が変わる」とおっしゃっていたけれど、これは本当にそうで、わたしも最初の職場のときよく思っていた。

辛いとき苦しいとき、1人でもわたしのことをわかってくれる人がいれば、本当に救われる。

頑張っていることを認めてくれていることは、毎日の励みになる。

自分がそういう人に出逢ってきたからこそ、わたしはそういう人になりたいと思い、自分のチームの人たちは絶対に守るんだと当たり前のように思っていた。

「やり方」ではなく「あり方」

「善き思いを持ち、それを実践する」という稲盛哲学についての説明。

人生(仕事)の結果=考え方×熱意×能力

これは、いくら熱意と能力があっても、考え方が悪ければそのまま結果は悪い方に向いてしまうということを言っている。

そして、もうひとつ。

考え方と熱意は目に見えない。

だからこそ評価すべきであり、磨くべきである。

能力は評価されやすいために、みんな飛びつくが、それだけでは結果につながらない。

 

わたしは、京セラの稲盛和夫さんの「生き方」を大学4年生のときに読んで本当に感動した。

詳しく内容を覚えてはいないのだけれど、今やっていることが間違いじゃなかったんだな、と思って涙したのを覚えている。

稲盛さんが、JALの経営再建に取り組まれたとき、そのスローガンが、

「感謝を、行動に。」

というもので、稲盛さんの想いがつまっていて、そのことばにグッときた。

共感してくれる人を探す

共感してくれない人にいくら訴えてもしょうがない。

まずは、自分の想いに共感してくれる人を探すことから。

人は頑張っている人を応援したいと思う生き物だから、まずは一生懸命心を込めて取り組む、そのうえで「どうやったら相手を動かせるか」という視点を持つと良い。

 

人間は「何のためにやっているか」を見失ったときがいちばん苦しい。

そういうときこそ、周りが頑張っていることに感謝する。

日本の「働き方改革」は効率化を進めるあまり本質を見失っていないだろうか?

目的をもち自分がやりがいを持って働ける「働き甲斐改革」をしてほしいとおっしゃっていた。

 

育てるのではなく、育つ環境をつくる。

集めるのではなく、集まる環境をつくる。

「来たときよりも美しく」

それは、人の心も環境も同じ。

あなたたちがこの道を通ってくれたことで、より価値のあるものになった。

そう言われる人になりましょう、ということをおっしゃっていた。

 

前の会社をやめるときに、わたしはあくまで通過点、と思っていたことを思い出した。

この仕事は今わたしが預かっている役割、そしてそれは、いずれ誰かにつないでいくもの。

「この会社で、わたしがこの仕事をしていることで、わたしも仕事もどちらも価値が上がるような仕事をしたいと思っています。

そして、わたしと出逢うことで、相手の人生が少しでも良いものになって、その人に出逢ったことでわたしの人生も少しだけ良いものになったら、それだけでここにいた価値があると思います」

よく上司とこんな話をしていて、一見きれいごとだけれど、そのときは本当に心からそう思っていたのだ。

子どもたちが夢を見つけるために

これはわたしが中学生向けのキャンプをやろうとしていることもあって、夢を見つけるヒントが欲しいと、質問したことから。

そのままの方が伝わると思うので言われたまんま書きます。

「楽しそう、やってみたい」

最初の動機はそれでいい。けれど、それだけだと危ないよ。

場合によっては、それが辞める理由になってしまう。

目的があるかどうか。大変だとしても目指したいと思う=それが目的だよ。

やめられない理由があるかどうかってこと。

やりたいことが大きければ大きいほど、障害ややらなきゃいけないことは増える。

草野球とプロ野球チームへ入団するためにやらなきゃいけないことは全然違うよね。

やりたいこととやらなきゃいけないことはセットでやってくるから、それにきちんと向き合える自分であることが大切だよ。

はじめたのは自分がきっかけなのに、やめるときは他人をキッカケにしていない?

イチローは練習が苦じゃないと言う。

それは、やりたいこととやらなきゃいけないことがセットであることを理解しているから。

 

ガムシャラにもがいている、そのときが夢のど真ん中だよ。

夢は叶った瞬間に日常になってしまう。

つまり、夢を達成するときっていうのは、夢の終わりかけってこと。

だからこそ、苦しいときこそ目的を忘れないで頑張ってほしい。

収まりきらなかった名言たち

結果を出すことの重要性

結果を出すと、周りの見る目が変わる。

この人の話なら聞いてみようかな、と相手に思わせることができる。

そして、一度で満足せず、結果を出し続けるということがもっと大切。

試練(チャンス)は突然やってくる

すぐ口に出てくるかどうかは、いつもそのことについて考えているかどうか、言語化できているかの違い。

それは自分の出番かどうか

「こうあるべきだ」から「わたしはこうしたい」へ。

それはその人のタイミングであり、そのときが自分の出番かどうかということ。

つまり、自分がそのレベルに達しているかの問題なので、周りの目線を気にして無理やりやる必要はないのだ。

行動に移すためのコツ

すでに習慣化されている行動にプラスすること。

最初はできるだけ小さく(簡単に)で良い。

1回でできることはめったにないのだから、まずやってみることが大事。

 

なんだか、我に返った気がした。

この数日、生きてるのか死んでるのかよくわからなかったけれど、すごい考えさせられることが多くて。

 

人間は「何のためにやっているか(目的)」を見失ったときがいちばん苦しい。

目的だと思っていたことを奪われたこと。

わたしはこの2週間これで苦しんだのだ。

でも、もしかしたら、目的を考え直すタイミングだったのかもしれない。

 

わたしのやりたいこと、この人生で経験したいこと。

もういつかを待つのではなく、はじめるタイミングに来ているのかもしれない。

 

ただ現象があるだけ。

問われているのは自分の心のあり方。

そして、学んだことを実践していくこと。

 

自分の周りの人全てが自分の潜在能力だとしたら?

本気で何かをやってみたら、そこで出逢う人たちが変わってきた。

小さくても自分で何かをやっている志ある人に出逢う機会が増えてきた。

だとしたら、少しずつ変わりはじめている。

変化を起こしたのは、自分かもしれない。

だとしたら、わたしはその変化に対応できないわけがないのだ。

 

今年もあと2ヶ月半。

もしかしたら、ぐるっと生活が変わる気もしている。